花祭り(灌仏会)の食べ物
花祭りの食べ物は精進料理、旬の食材をつかった料理となります。
旬の食材の中でも天に向かって真っすぐ伸びる姿が誕生仏に似ている食材が花祭りの食べ物として好まれています。
日本で親しまれてきた、花祭りの旬の食材について紹介しますね。
誕生仏とは
花祭りに欠かせない、生まれたばかりのお釈迦様の姿を現した像になります。お釈迦様は生まれてすぐに七歩歩き、右手で天を、左手で地を指して、「天上天下唯我独尊」(生きとし生けるものはみな尊い命を持つ尊い存在であるということ)と言ったとされています。
タケノコ
この時期は新芽のたけのこが食べられていました。味は淡泊で吸物、煮物、和物(あえもの)、たけのこ飯に使われます。
天に向かって真っすぐ伸びている姿が誕生仏に似ていたため、別名は仏影蔬(ぶつえいそ)と呼ばれ尊い食べ物でした。
仏影蔬(ぶつえいそ)とは仏様の姿をした植物になります。
ソラマメ
脂質がほとんどなく炭水化物が多く含まれており、主食としての役割もあり煮る、炒める、揚げる、炒ると様々な料理になります。
サヤの先が天に向かって伸びるソラマメ(空豆)の別名は仏豆。
茎は植物では珍しい四角柱になっており、どっしりと真っすぐ伸びる植物です。
ウド
春に旬の軟化うどはシャキシャキした歯触りで、独特の香りと淡泊な甘みが特徴。
和え物、酢の物、吸い物、煮物、漬け物、刺身のつまなど、昔から親しまれてきた日本料理に欠かせない食べ物です。
ウドは天上天下唯我独尊に通じる植物と言われています。
花祭りでお供えされる食べ物
花祭りではお寺にお供えする食べ物もあります。
紹介した旬の食材であるタケノコ、ソラマメ、ウドや、地域の食べ物が供えられます。
花祭り(灌仏会)の甘茶とは 由来も説明
花末の飲みものと言えば甘茶ですよね。
甘茶という名前もあり、本当に甘いです!!私は幼いころに花祭りで甘茶を飲んだのですが、甘すぎて飲むのが辛かった記憶が残っています…。
甘いのですが砂糖などの甘味料は一切使われていません。甘茶はユキノシタ科の植物。ヤマアジサイの甘みのある成分が変異し、発見されました。
甘茶は江戸時代から民間の薬として使われ始め、良いことづくしのお茶でした。甘茶は日本特有のものになります。
・甘茶を飲めば無病息災でいられる
・目につけると目が良くなる
・甘茶で墨をすって習字をすると字がうまくなる
・甘茶の墨汁で「千早振る卯月八日は吉日よ、神下げ虫を成敗ぞする」と書いたものを玄関などに貼ると害虫が来なくなる
大人になってから甘茶を飲んだことがないのですが、これを聞くと甘茶が飲みたくなりますね。
花祭りで誕生仏に甘茶をかけるのはなぜ?
花祭りでは花御堂の誕生仏に甘茶をかけて祝います。
お釈迦様が生まれた時に九つ頭の龍が現れ、お釈迦様の頭から甘露を注ぎ、それが初めてのお風呂だった(産湯)という伝承があります。
奈良時代には花祭りが行われ、香水と呼ばれる水をかけていました。江戸時代に甘茶が民間の薬として使われはじめ、甘茶をかけるようになったといわれています。
花御堂って?
お釈迦様は現在のネパールのルンビニの花園で誕生したと言われています。花園を再現するために、たくさんの花で彩られた花御堂でお祝いをしていました。花祭りと呼ばれるのも花飾りがたくさんあることから由来し、明治時代から呼ばれるようになりました。
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